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明日香村の石造物を巡ってきました! 酒船石~弥勒石~亀石編

明日香村/亀石_tmb

明日香村の石造物を巡ってきました!

明日香村に点在している亀石や猿石、酒船石などの石造物を巡るシリーズです。
第一回はミステリアスな形と模様が大人気の酒船石、素朴な顔とぼってり体型で愛される弥勒石、かわいい顔でシンボル的な存在の亀石を見学します。

※撮影日:2020年07月02日(木)

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飛鳥でいちばん不思議な石造物

酒船石

明日香村/酒船石(ロング)

奈良県立万葉文化館南の小高い丘の上にある酒船石さかふねいしです。
万葉文化館西口のすぐ横、亀形石造物の受付小屋の裏手から坂道を上ります。
駐車場は万葉文化館駐車場(無料)を利用させてもらうのがいいと思います。

明日香村/酒船石(右)

酒船石に亀形石造物や石垣などを含めて酒船石遺跡と呼ばれ、史跡に指定されています。
1927年(昭和2年)に史跡に指定された酒船石に、1992年(平成4年)に発見された石垣や2000年(平成12年)に発見された亀形石造物などを追加して名称も変更になったようです。

明日香村/酒船石(左)

酒船石と石垣は無料で自由に見学できます。
石垣は坂道の途中にあり、『日本書紀』の斉明2年(656年)条に記される「宮の東の山に石を累ねて垣とす」に該当する遺跡ではないかと考えられています。
亀形石造物は入場料が300円、8時30分から17時まで(12月から2月は9時から16時まで)です。

明日香村/酒船石

飛鳥資料館のレプリカは下半分が埋まっていましたが、こちらは全体が露出しています。
前回は竹漏れ日で明暗差が大きくてわかりにくい写真になったので、今回はくもりの日に訪れましたが三脚があったほうがいいくらい薄暗かったですw

明日香村/酒船石(アップ)

説明板からの引用です。

この石造物は、現状では長さ5.5m、幅2.3m、厚さ約1mで花崗岩で出来ている。北側及び南側の一部は欠損しており、近世にどこかへ運びだされたものと考えられ、石割りの工具跡がのこっている。石の上面に、円や楕円の浅いくぼみを造って、これを細い溝で結んでいる。酒をしぼる槽とも、あるいは油や薬を作るための道具といもいわれている。しかし、この石の東40mのやや高いところで、ここへ水を引くための土管や石樋がみつかっていることから庭園の施設だという説もある。
明日香村/酒船石(縦)

もっと写真を撮りたかったのですが、蚊がめちゃくちゃ多くて早々に退散しました。
夏に訪れる場合は虫さされ対策必須です。

明日香村/万葉歌碑(2860)

万葉文化館駐車場に建つ万葉歌碑です。
万葉文化館友の会の会長を務めた漫画家の里中満智子さとなかまちこさんの揮毫です。
友の会の解散記念として2019年(平成31年)3月17日に除幕式が行われました。

八釣川やつりがは 水底みなそこ絶えず 行く水の
ぎてそ恋ふる この年頃としころ柿本人麻呂歌集『万葉集』巻12-2860

弥勒石

明日香村/弥勒石(ロング)

万葉文化館の西、飛鳥川の東岸にある弥勒石みろくいしです。
酒船石から歩いて10分ほどのところです。
隣にはお参りする人のための休憩所があります。

明日香村/弥勒石

高さが2.5メートルもあるとても大きな石です。
わずかに目と口のようなくぼみはありますが石仏ではないようです。
飛鳥川から水を引き入れるための堰として使われていたという説があります。

明日香村/弥勒石(アップ)

弥勒石を拝むと下半身の病気が治るという伝え話があるそうです。
弥勒石の腰を触ることでもご利益があり、覆屋には手を入れるための穴があいています。
休憩所の床の真ん中には「足のせ石」なる石が埋め込まれていて、イスに座って石の上に足をのせて祈願すると思いが通じるといわれています。

明日香村/弥勒石(縦)

説明板からの引用です。

この「弥勒石」は、真神原まかみのはらの西を流れる飛鳥川の右岸に位置する石柱状の巨石である。石には仏顔面もほとんどないが、わずかに目と口とみられる部分が細工されているだけである。
弥勒石を拝むと下半身の病気が治るといういい伝えがあり、今も地元や周辺の人々の信仰を集めるとともに、「ミロクさん」と呼ばれている。
明日香村/弥勒石のお地蔵さん

小さなお地蔵さんたちです。

明日香村/弥勒石のわら草履

わら草履がたくさん奉納されています。
ミロクさんの体に合わせたものなのか大きなわら草履もありました。
旧暦8月5日のお祭りの日に、古いものからいくつかがお焚き上げされるそうです。

明日香村/万葉歌碑(0197)

弥勒石のすぐ近くの広場に建つ万葉歌碑です。
左奥に写っているのが弥勒石です。

明日香川 しがらみ渡し かませば
流るる水も のどにかあらまし柿本人麻呂『万葉集』巻2-197
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飛鳥の石造物界のアイドル

亀石

明日香村/亀石と説明板

川原寺跡の西、県道155号と209号の交差点近くにある亀石です。
弥勒石から歩いて12分ほどのところです。

明日香村/亀石(ロング)

亀石は三方を垣根に囲まれていて、見学は南側からしかできません。
周辺には民家や田んぼがあるので仕方がないですがちょっと残念です。
隣は売店になっていて亀グッズも販売しているようです。

明日香村/亀石(前)

カメに似ていることから亀石と呼ばれています。
顔が三角形であることや目が上に飛び出していることからカエル説もあるそうです。

明日香村/亀石(横)

長さ3.6メートル、幅2.1メートル、高さ1.8メートルの巨大な石造物です。
どのような目的で作られたものかは謎のままだそうです。

明日香村/亀石(後ろ)

生垣の切れ目から後ろ姿をパシャリ。
全方向から観察したい人には飛鳥資料館のレプリカがおすすめです。

明日香村/亀石(正面)

説明板からの引用です。

亀石と呼ばれる石造物は、いつ何の目的で作られたのか明らかでないが、川原寺の四至(所領の四方の境界)を示す標石ではないかという説がある。
明日香村/亀石(アップ)

さらに説明板には以下の「伝説」が記述されています。

むかし、大和が湖であったころ、湖の対岸の当麻と、ここ川原の間にけんかが起こった。長いけんかのすえ、湖の水を当麻にとられてしまった。湖に住んでいたたくさんのカメは死んでしまった。何年か後に亀をあわれに思った村人達は、亀の形を石に刻んで供養したそうである。
今、亀は南西を向いているが、もし西を向き当麻をにらみつけたとき、大和盆地は泥沼になるという。
明日香村/亀石

なんとなく愛嬌があってかわいいですね。
酒船石とは違って若い女性の観光客にも人気がありますw

明日香村/亀石横地蔵

正式名称ではないと思いますが、売店をはさんで隣にある亀石横地蔵です。
とても大きなお地蔵さんで、横から見ると前のめりになっています。

あとがき

次は脚立を用意してハイポジションから酒船石を撮影してみたいです。
酒船石のくぼみに溜まっている竹落葉は勝手に掃除したらダメなのですかね。

飛鳥散策のガイドブックに
飛鳥への招待
飛鳥学冠位叙任試験問題作成委員会(著)、今尾文昭(編)
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アクセス情報

■ 酒船石 (さかふねいし)

サイト
所在地 奈良県高市郡明日香村岡
電話 0744-54-5600 (明日香村文化財課)
入場料 無料
開場時間 24時間
休場日 なし
駐車場 なし
※奈良県立万葉文化館駐車場を利用 無料 110台 09:00~18:00
トイレ なし
※奈良県立万葉文化館駐車場に公衆トイレあり
文化財 史跡 酒船石遺跡
最寄駅 近鉄吉野線「岡寺」駅より徒歩39分(2.9km)
バスは橿原神宮前駅より「万葉文化館西口」で降車してすぐ

■ 弥勒石 (みろくいし)

サイト
所在地 奈良県高市郡明日香村岡
電話
入場料 無料
開場時間 24時間
休場日 なし
駐車場 なし
※飛鳥歴史公園甘樫丘地区川原駐車場を利用 無料 29台
トイレ なし
※飛鳥歴史公園甘樫丘地区川原駐車場に公衆トイレあり
文化財
最寄駅 近鉄吉野線「岡寺」駅より徒歩31分(2.4km)
バスは橿原神宮前駅より「万葉文化館西口」で降車して徒歩6分

■ 亀石 (かめいし)

サイト
所在地 奈良県高市郡明日香村川原
電話 0744-54-5600 (明日香村文化財課)
入場料 無料
開場時間 24時間
休場日 なし
駐車場 なし
※明日香村中央公民館駐車場を利用 無料 約40台
トイレ なし
文化財
最寄駅 近鉄吉野線「飛鳥」駅より徒歩22分(1.6km)
バスは飛鳥駅より「中央公民館」で降車して徒歩2分

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