撮影日記施設・公園

特別展「飛鳥の石造文化と石工」開催中の飛鳥資料館に行ってきました! 後編

飛鳥資料館/石人像_tmb

飛鳥資料館あすかしりょうかんに行ってきました、の後編です!

庭園展示に新たに加わった石造物や重要文化財の石人像と須弥山石を見学します。
さらに常設展示からお気に入りの展示物も紹介します。

※撮影日:2020年09月01日(火)

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岩の上で抱き合う老爺と老婆

庭園の亀形石槽

飛鳥資料館/庭園

今回の特別展は展示室と庭園を利用して飛鳥の石造物が紹介されています。
といっても庭園に展示されている石造物、館内の石人像や須弥山石は常設展示です。
庭園は無料開放されていて、飛鳥の石造物の精巧なレプリカを間近で見ることができます。

飛鳥資料館/庭園の亀形石槽(ロング)

酒船石と須弥山石のあいだにあるのが新しく加わった亀形石槽かめがたせきそう(亀形石造物)です。
先月完成したばかりで、周りの石造物から浮くほど白く輝いています。
石材は粒子の細かさが飛鳥石に似ている庵治石あじいしが使用されました。

飛鳥資料館/庭園の亀形石槽

亀形石槽は石工の左野勝司さのかつじさんが製作、飛鳥資料館に寄贈されました。
佐野さんは極力機械に頼らず、ノミとセットウを使った手作業で石造物を仕上げます。
特別展示室で製作過程が紹介されていましたが、亀形石槽は約1年をかけて完成しました。
こちらに展示するレプリカを佐野さんが製作されるのは今回で14例目だそうです。

飛鳥資料館/庭園の亀形石槽(左)

佐野さんは高松塚古墳の石室解体やアンコール遺跡の修復にも携わり、飛鳥の石造物や春日大社の石灯籠など石造文化財の修理や復元を手がけられています。
石と歩んだ半生を綴った著書『石ひとすじ―歴史の石を動かす』も出版されています。

歴史の巨石に挑み続けた半生!
飛鳥資料館/庭園の亀形石槽(アップ)

飛鳥石の特徴である灰黒色の斑点がないとちょっとさみしいですねw
亀形石槽に酒船石さかふねいしや石垣などを含めて酒船石遺跡と呼ばれ、史跡に指定されています。
オリジナルは奈良県立万葉文化館のすぐ南にあり、入場料は300円です。
石敷きの外側からの見学なので近くで観察することはできません。

石人像

飛鳥資料館/石人像(右)

ロビーに展示されている石人像せきじんぞうです。
石神遺跡いしがみいせきから発掘されたもので重要文化財に指定されています。

飛鳥資料館/石人像(左)

岩に腰かけた男性に背後から女性が抱きついています。
顔は大きな目ととんがった鼻が特徴的で西域人を思わせます。
襦裙じゅくん(短い上着とスカート)という当時の中国風の服装をしているそうです。

飛鳥資料館/石人像

石人像は噴水施設であると考えられています。
水が男性の口に当てている盃と女性の口から噴き出す仕組みになっています。
盃の部分が欠けていて水を通す穴が見えていますが、庭園のレプリカでは復元されています。

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仏教世界の中心で、須弥山がそびえる

須弥山石

飛鳥資料館/須弥山石

「律令国家への歩み」のコーナーに展示されている須弥山石しゅみせんせきです。
石人像とともに石神遺跡から発掘されたものでこちらも重要文化財に指定されています。

飛鳥資料館/須弥山石(右)

須弥山石も噴水施設であると考えられています。
石はいずれも内部がくり抜かれていて、底から引き上げた水を下段の石に溜めて小さな穴から噴き出す仕組みになっています。
3段の中段と下段の石が繋がらないため、あいだにもう一つ石があったと考えられていて、庭園のレプリカは4段で復元されています。

飛鳥資料館/須弥山石(左)

以下、説明板からの引用です。

全体の形や山型の浮彫があることから須弥山石とよばれる。須弥山とは仏教世界の中心にそびえる聖なる山(スメール山)のこと。

その他の展示物

飛鳥資料館/海獣葡萄鏡
※クロップしています

「飛鳥の古墳」のコーナーより、高松塚古墳出土品の海獣葡萄鏡かいじゅうぶどうきょうです。
鏡背全体に葡萄唐草文が描かれ、中央とその周囲に海獣が配置されています。
前回はF4 1/500秒 ISO6400でしたが、今回はF5.6 1/125秒 ISO1600 -1EVで撮影しました。
ピントの合っている範囲が広くなり、ノイズも軽減されました。

飛鳥資料館/棺の飾金具

同じく高松塚古墳出土品のひつぎ飾金具かざりかなぐです。
中央の美しい形のものは棺の装飾に使われていた金銅製透飾金具こんどうせいすかしかざりかなぐです。
古墳好きの人なら海獣葡萄鏡と金銅製透飾金具は押さえておきたいです。

飛鳥資料館/玉類

同じく高松塚古墳出土品の玉類です。
これらの高松塚古墳出土品は一括して重要文化財に指定されています。

飛鳥資料館/鳳凰塼

「飛鳥の寺院」のコーナーより、鳳凰塼ほうおうせん(レプリカ)です。
オリジナルは南法華寺みなみほっけじ(壷阪寺つぼさかでら)の所蔵ですが奈良国立博物館に寄託されています。

飛鳥資料館/天人塼

こちらは天人塼てんにんせん(レプリカ)です。
オリジナルは岡寺おかでらの所蔵ですが京都国立博物館に寄託されています。
どちらもオリジナルは重要文化財に指定されています。

飛鳥資料館/橘寺の塼仏

橘寺たちばなでら塼仏せんぶつ(レプリカ)です。
塼仏は普通の方形と、こちらのように上部がとんがった火頭形かとうけいにわけられます。
橘寺出土の同型の塼仏は奈良国立博物館所蔵の火頭形三尊塼仏と東京国立博物館所蔵の三尊像塼仏がありますが、こちらのオリジナルは東京国立博物館所蔵のものでしょうか。

飛鳥資料館/川原寺の塼仏

川原寺かわはらでらの塼仏です。
1974年(昭和49年)に行われた川原寺裏山遺跡の発掘調査で千数百点も出土したそうです。

飛鳥資料館/地光寺の軒丸瓦

葛城市の地光寺跡じこうじあとから出土した鬼面文軒丸瓦のレプリカです。
鬼の顔を表現した鬼面文は珍しく、個人的にいちばんお気に入りの軒丸瓦です。
こちらのオリジナルは奈良県立橿原考古学研究所附属博物館所蔵のものだと思いますが、葛城市歴史博物館にもこちらと同型の鬼面文軒丸瓦が常設展示されています。

飛鳥資料館/高松塚古墳石室

再び庭園です。
前回はまだ準備中だった高松塚古墳解体実験用石室が完成していました。
高松塚古墳の石室解体作業のシミュレーションを行うために実物大で製作されたものです。

飛鳥資料館/高松塚古墳石室(ロング)

庭園で展示するにあたり、できるだけ実物に近い形状に修正されたそうです。
盗掘孔は金網でふさがれているので盗掘ごっこはできません。

あとがき

レプリカを観察したあとはホンモノの石造物巡りがおすすめです。
明日香村内にある酒船石、亀形石槽、二面石、亀石、猿石は徒歩でもなんなくまわれます。
しかも亀形石槽と橘寺境内にある二面石以外は無料で見学できます!

飛鳥散策のガイドブックに
飛鳥学冠位叙任試験問題作成委員会(著)、今尾文昭(編)
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アクセス情報

■ 飛鳥資料館 (あすかしりょうかん)

サイト https://www.nabunken.go.jp/asuka/ (奈良文化財研究所)
所在地 奈良県高市郡明日香村奥山601
電話 0744-54-3561
入館料 350円 ※JAF会員証提示で100円引き (5名まで)
開館時間 09:00~16:30 (受付は16:00まで)
休館日 月曜日 (祝日の場合は翌平日)
年末年始 (12月26日から1月3日まで)
イベント 令和2年度特別展「飛鳥の石造文化と石工」

開催期間: 2020年8月4日(火)から9月22日(火)まで
駐車場 無料駐車場あり 11台
トイレ あり
文化財 重要文化財 石造須弥山/石造男女像/奈良県髙市郡明日香村飛鳥字石神出土
重要文化財 高松塚古墳出土品
重要文化財 奈良県山田寺跡出土品
最寄駅 近鉄橿原線「橿原神宮前」駅より徒歩41分(3.1km)
バスは橿原神宮前駅より「明日香奥山・飛鳥資料館西」で降車して徒歩3分
または桜井駅より「飛鳥資料館」で降車してすぐ

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