撮影日記施設・公園

特別展「また!ナニこれ?」開催中の奈良市埋蔵文化財調査センターに行ってきました!

奈良市埋蔵文化財調査センター/犬形土製品(推定大和産)

奈良市にある奈良市埋蔵文化財調査センターならしまいぞうぶんかざいちょうさせんたーに行ってきました!

奈良市埋蔵文化財調査センターは奈良市内の遺跡から出土した遺物を展示する施設です。
今回は秋季特別展「また!ナニこれ?―奈良市出土の用途不明品―」を見学してきました。
使い方がよくわからないものや、何を表現しているのかわからない謎の遺物が展示されています。
2年前(2020年)に大好評だった「ナニこれ!?―平城京出土の用途不明品―」の続編です。

撮影日:2022年11月25日(金)

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ハス・イズ・オーヴァー

ナニこれ!コレなに?

奈良市埋蔵文化財調査センター/建物

奈良市埋蔵文化財調査センターです。
特別展開催中も入館料は無料で、特別展のパンフレットも無料で頒布されています。
パンフレットのPDFは全国遺跡報告総覧のこちらのページでダウンロードできます。

奈良市埋蔵文化財調査センター/展示室前

特別展は展示室前から始まっています。
大森遺跡出土の縄文時代晩期の円柱状突起がある土製品、東九条町所在遺跡出土の弥生時代後期の刺突紋がある土器など、使い方がよくわからない遺物が展示されています。

奈良市埋蔵文化財調査センター/前回の主役達

前回の主役たちを紹介するコーナーもありました。
当時ツイッターで見て気になっていたものが展示されていたので嬉しいです。
前回のパンフレットのPDFもこちらのページでダウンロードできます。

奈良市埋蔵文化財調査センター/獣脚付円盤状土製品

杉山古墳の周濠から出土した獣脚付円盤状土製品じゅうきゃくつきえんばんじょうどせいひんです。
粘土紐を迷路のように巡らせた粘土板にネコ科動物の足がついています。
溝に敷きつめた抹香まっこうの燃えた長さで時間をはかる香時計こうどけいの可能性があるそうです。

奈良市埋蔵文化財調査センター/展示室

展示室内もすべて特別展に入れ替えられています。
今回の特別展はすべて写真撮影オッケーです。

奈良市埋蔵文化財調査センター/唐三彩陶枕

大安寺旧境内から出土した唐三彩陶枕とうさんさいとうちんです。
白、緑、褐色など多彩な鉛釉えんゆうを施した箱形の陶器の破片です。
頭をのせるにはやや小さく、腕を置く台や文鎮などの説もあります。

ナニこれ!何を表現?どんな意味が?

奈良市埋蔵文化財調査センター/鳥紐蓋

平城京跡から出土した鳥紐蓋とりちゅうふたです。
鳥の頭部を表現したもので、お酒を入れた平瓶ひらかの蓋だと考えられています。
オシドリを模しているようですが、なぜオシドリなのかは不明です。

奈良市埋蔵文化財調査センター/巴蓮華複合紋軒丸瓦

大安寺旧境内から出土した巴蓮華複合紋軒丸瓦ともえれんげふくごうもんのきまるがわらです。
複弁蓮華文の中房ちゅうぼう部分を二つ尾長巴文ふたつおながともえもんで飾る平安時代後期の軒丸瓦です。
古代より蓮華文が主流でしたが、中世以降は巴文が中心となります。

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恋人も濡れる陶棺

ナニこれ!どのように使ったの?

奈良市埋蔵文化財調査センター/円筒形陶棺

赤田横穴墓群あこだおうけつぼぐん9号墓から出土した円筒形陶棺えんとうがたとうかんです。
これまでに出土例がない縦置きの陶棺で、平底で自立することができます。
形がユニークというか、心の清らかさが試される陶棺です。

奈良市埋蔵文化財調査センター/円筒形陶棺(上)

高さは大きいほうが85.1センチ、小さいほうが67.4センチです。
大人には小さすぎるので、子ども用か骨だけを納める再葬用とみられます。
いずれの場合でもどうしてこのような形なのかはわからないそうです。

奈良市埋蔵文化財調査センター/無文銀銭

平城京跡から出土した無文銀銭むもんぎんせんです。
直径3.02センチ、厚さ約0.2センチ、重さ8.96グラムの銀の円板です。
奈良時代には貨幣ではなく銀としての価値で使用されていたそうです。

ナニこれ!どんな願いが?

奈良市埋蔵文化財調査センター/塼仏

平城京跡から出土した塼仏せんぶつです。
十二尊連坐塼仏じゅうにそんれんざせんぶつの一部と、右下は方形三尊塼仏ほうけいさんぞんせんぶつの一部です。
まとまって出土したものではなく、日常身につけて拝む念持仏ねんじぶつとみられます。

奈良市埋蔵文化財調査センター/焦がして描かれた人形

平城京跡から出土した焦がして描かれた人形こがしてえがかれたひとがたです。
顔や衣服のひだの描線が墨描きではなく焦がして描かれています。
線香のようにゆっくり燃える火を押しつけて描いたと思われるそうです。

奈良市埋蔵文化財調査センター/控えめな人面墨書土器

平城京跡から出土した控えめな人面墨書土器ひかえめなじんめんぼくしょどきです。
一般的なものより顔がとても小さく、笑っているような表情をしています。
通常の人面墨書土器は疫病神とされる恐ろしげな表情の顔が大きく描かれます。

奈良市埋蔵文化財調査センター/木偶

高天町たかまちょうの奈良町遺跡から出土した木偶でくです。
コウヤマキ(高野槇)の丸太材に目と鼻、口を彫って顔を表現しています。
自立できないので、祀る際には衣装を着せて立たせたと思われるそうです。

奈良市埋蔵文化財調査センター/人形

法華寺町所在遺跡から出土した人形ひとがたです。
約2.2メートル四方の非常に大きな井戸枠内から94枚以上の人形が見つかっています。
どんな願いが込めらているのかわかりませんがちょっとしたホラーですねw

奈良市埋蔵文化財調査センター/人形「伊勢竹河」

7、8枚ずつ束にされていた束ねられた人形「伊勢竹河」たばねられたひとがた「いせのたけかわ」です。
頭と胴に穴があけられ、外側を内向きにしてひもや木釘でまとめられていました。
胴に「伊勢竹河」と名前が書かれ、顔にヒゲがあることから男性と判断できます。

奈良市埋蔵文化財調査センター/人形「伴廣富」

緑釉陶器瓶りょくゆうとうきへいに入れられていた瓶に封入されていた人形「伴廣富」へいにふうにゅうされていたひとがた「とものひろとみ」です。
胴に書かれた名前は「伴廣富」で、ほかに「伊勢宗子いせのむねこ」と「秦奈良子 又名粟日はたのならこ またのなあわひ」があります。
「伊勢竹河」よりも全体的に小さく、顔にヒゲがないことから女性とみられます。
呪いの人形のように見えますが、病気平癒を祈って用いたものと考えられるそうです。

奈良市埋蔵文化財調査センター/立体人形
※マウスオーバーでクロップした写真を表示します

上記の人形と同じ井戸枠内から出土した立体人形です。
サンショウ(山椒)に眉と目、鼻、口を彫って顔を表現しています。
長さ2.5センチという小ささですが、眉と目には墨が塗られています。

奈良市埋蔵文化財調査センター/犬形土製品(推定大坂産)

北室町きたむろちょうの奈良町遺跡などから出土した犬形土製品(推定大坂産)です。
手づくねで作られたイヌの土人形で、とても愛くるしい姿をしています。
イヌが多産でありながらお産が軽いことにあやかった安産のお守りと考えられています。
全国の安土桃山時代の遺跡で見つかっていて、大坂から各地へ広がったとみられます。

奈良市埋蔵文化財調査センター/犬形土製品(推定大和産)

今小路町いまこうじちょうの奈良町遺跡などから出土した犬形土製品(推定大和産)です。
大坂産よりずんぐりしていてブタみたいですが、僕は大和産のほうが好きですw

奈良市埋蔵文化財調査センター/犬形土製品(推定大和産)(室町)

こちらも大和産ですが上記よりも時期が古い室町時代のものです。

奈良市埋蔵文化財調査センター/ミニチュア土器と犬形土製品

秋篠阿弥陀谷遺跡あきしのあみだだにいせきから出土したミニチュア土器(風炉・羽釜・小壺)副葬された犬型土製品です。
安土桃山時代の火葬墓に埋葬された木櫃もくひつのなかに納められていた副葬品です。
墓石には「尊壽童女」と女の子の戒名が刻まれていたことから、女の子が生前に遊んでいた玩具の可能性が高いと考えられるそうです。

あとがき

前回見逃してしまったのが悔しいくらい楽しい特別展でした。
来館者の感想や推理を一緒に展示していたのも面白かったです。
展示内容を一部更新しながら数年ごとに開催してほしいですw

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アクセス情報

■ 奈良市埋蔵文化財調査センター (ならしまいぞうぶんかざいちょうさせんたー)

サイト https://www.city.nara.lg.jp/soshiki/135/ (奈良市)
所在地 奈良県奈良市大安寺西2-281
電話 0742-33-1821
入館料 無料
開館時間 09:00~17:00 (受付は16:30まで)
休館日 土曜日・日曜日
祝日
年末年始 (12月29日から1月3日まで)
イベント 令和4年度秋季特別展「また!ナニこれ?―奈良市出土の用途不明品―」

開催期間: 2022年10月1日(土)~11月30日(水)
駐車場 無料駐車場あり 約20台
トイレ あり
文化財 奈良市指定文化財 ベンショ塚古墳出土品
奈良市指定文化財 杉山古墳出土家形埴輪
奈良市指定文化財 銅製壷形分銅
奈良市指定文化財 西大寺跡出土イスラム陶器​
△奈良市指定文化財 三角縁吾作銘二神二獣鏡
最寄駅 近鉄橿原線「西ノ京」駅より徒歩27分(1.9km)
バスは新大宮駅より「大安寺西二丁目」で降車してすぐ

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