御所市にある古墳を巡ってきました!
葛城氏や巨勢氏が本拠地としていた御所市の古墳を巡るシリーズです。
第一回は宮山古墳、みやす塚古墳、條庚申塚古墳、條ウル神古墳を見学してきました。
撮影日:2024年2月13日(火)
パレイドリア現象
宮山古墳
古墳見学のまえに御所市文化財展示室を訪れるのがおすすめです。
平日のみの開館ですが入館料は無料で、宮山古墳の出土品などが展示されています。
見学に役立つ文化財マップや解説シートをいただくこともできます。
文化財展示室から東に数分の桜田池公園から眺める宮山古墳(室宮山古墳)です。
墳丘長238メートルの前方後円墳で、全国で第18位の大きさです。
写真右側が後円部で、後円部は墳頂まで登ることができます。
5世紀初頭の築造とされ、1921年(大正10年)に最初に指定された史跡のうちの一つです。
公園西側の広場には周辺で唯一の公衆トイレがあります。
車は広場の端に駐車するか、文化財展示室の駐車場を利用してもいいそうです。
後円部墳頂へは東端に鎮座する八幡神社の境内から登ります。
拝殿横の鳥居が見学道の登り口です。
後円部は高さ約25メートルで、墳頂部は広場状になっています。
見学道は手すりつきの階段が整備されていて登りやすかったです。
埋葬施設は墳丘中軸をはさんで南北に二つの竪穴式石室が並びます。
それぞれの石室の周囲には二重の方形に廻る埴輪列が検出されたそうです。
南石室の外側の埴輪列には40体前後の武器形埴輪が立てられていたとされます。
南石室は竜山石製の長持形石棺を納めた状態で露出展示されています。
被葬者は葛城氏の祖とされる葛城襲津彦とする説が有力だそうです。
すごい人物のお墓ですが、なんと石室のなかに入ることができます。
地元の方が足場用にコンテナを置いてくれているので簡単に下りることができます。
石棺の蓋石は最大長3.77メートルで、各辺に2つずつ縄掛突起があります。
竪穴式石室に納められた長持形石棺を現地で見学できるのは全国でこちらだけだそうです。
二つの石室のあいだに高さ1.43メートルの靫形埴輪のレプリカが設置されています。
靫は矢を入れる道具ですが、なにかのゆるキャラみたいでかわいいです。
オリジナルは奈良県立橿原考古学研究所附属博物館で常設展示されていています。
北石室は天井石の一部が露出しているだけです。
説明板は八幡神社の境内の外側に設置されています。
境内には史跡標識や孝安天皇の室秋津島宮跡の石碑が建っていました。
国道309号をはさんだ北側にあるネコ塚古墳(室ネコ塚古墳)です。
一辺約70メートルの方墳で、宮山古墳の陪塚と考えられています。
民有地ですが畑に入らないように気をつければ墳頂まで登れるようです。
みやす塚古墳
宮山古墳の説明板がある三叉路を東に行くとすぐにみやす塚古墳が見えてきます。
直径約50メートルの円墳で、宮山古墳と近接する時期の築造とされます。
こちらも民有地で説明板などは設置されていません。
北側墳裾部を通る道から階段を上がるとお地蔵さんがいらっしゃいます。
賽銭箱があるのでここまでは入っても大丈夫だと思います。
墳頂部の調査では方形に廻る円筒埴輪列が確認されたそうです。
縛って吊るして
條庚申塚古墳
みやす塚古墳から東に進んで高架下を抜けた先に條庚申塚古墳(巨勢山642号墳)があります。
総数800基以上が分布する巨勢山古墳群に属する古墳の一つで、条池北古墳(641号墳)と条池南古墳(640号墳)とともに条池支群に分類されます。
巨勢山古墳群は史跡に指定されていますが条池支群は史跡指定地外です。
條庚申塚古墳は直径約16メートルの円墳です。
石灯籠を右に行くと墳頂に出て、そこから石室前に下りることができます。
まっすぐ進むと条池北古墳・南古墳がありますが石室は埋め戻されています。
その名の通り墳頂部には庚申さんがいらっしゃいます。
こんな場所で「身代わり申」に遭遇するとオカルト感がすごいですw
写真左手から石室前に下りることができます。
石室は天井石がとても大きいですが奥行きは短いです。
羨道や玄室の半分が壊されて奥壁付近のみが残っている状態だそうです。
柵などはないですが石室のなかに入るのは危険だということです。
写真は外から撮影していますが、天井石がぱっくり割れているのが確認できます。
條ウル神古墳
條庚申塚古墳のすぐ東にある條ウル神古墳です。
墳丘長60から70メートルの前方後円墳または長方形墳と考えられています。
6世紀後葉の築造とされ、2021年に史跡に指定されたばかりです。
西側から南墳丘に登れたのでちょっと登ってみました。
すでに公有化されているのか、以前の説明板にあった「私有地につき立ち入りご遠慮ください。」という注意書きがなくなっていました。
北墳丘から国内最大級の巨大な石室と石棺が発見されて注目を集めました。
玄室は長さ7.1メートル以上、高さ約4.2メートルで、石舞台古墳に匹敵する大きさです。
石室は埋め戻されていて見学できないですが、全国遺跡報告総覧のこちらのページの調査報告書に写真がたくさん載っています。
あとがき
梅の花があちこちで咲いていて徒歩での散策がとても気持ちよかったです。
歩くルートは奈良県文化財ウォーキングマップの「葛城南部の遺跡」を参考にしました。
巨勢山古墳群は現在は見学が困難ですが、整備が進められているそうなので楽しみです。
アクセス情報
サイト | https://www.city.gose.nara.jp/kankou/0000001448.html (御所市) |
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所在地 | 奈良県御所市室 |
電話 | 0745-60-1608 (御所市文化財課) |
入場料 | 無料 |
開場時間 | 24時間 |
休場日 | なし |
駐車場 | なし ※すぐ近くの桜田池公園広場に駐車可 |
トイレ | なし ※すぐ近くの桜田池公園広場に公衆トイレあり |
文化財 | 史跡 宮山古墳 |
最寄駅 | 近鉄御所線「近鉄御所」駅より徒歩40分(2.8km) バスは近鉄御所駅より「宮戸橋」で降車して徒歩10分 または御所市コミュニティバス「室東口」で降車して徒歩5分 |
サイト | |
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所在地 | 奈良県御所市室 |
電話 | |
入場料 | 無料 |
開場時間 | 24時間 |
休場日 | なし |
駐車場 | なし |
トイレ | なし |
文化財 | |
最寄駅 | JR和歌山線「玉手」駅より徒歩36分(2.5km) バスは近鉄御所駅より「宮戸橋」で降車して徒歩17分 または御所市コミュニティバス「室東口」で降車して徒歩6分 |
サイト | https://www.city.gose.nara.jp/kankou/0000001441.html (御所市) |
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所在地 | 奈良県御所市條 |
電話 | 0745-60-1608 (御所市文化財課) |
入場料 | 無料 |
開場時間 | 24時間 |
休場日 | なし |
駐車場 | なし |
トイレ | なし |
文化財 | |
最寄駅 | JR和歌山線「玉手」駅より徒歩31分(2.2km) バスは近鉄御所駅より「宮戸橋」で降車して徒歩22分 または御所市コミュニティバス「條」で降車して徒歩4分 |
サイト | https://www.city.gose.nara.jp/kankou/0000001443.html (御所市) |
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所在地 | 奈良県御所市條 |
電話 | 0745-60-1608 (御所市文化財課) |
入場料 | 無料 |
開場時間 | 24時間 |
休場日 | なし |
駐車場 | なし |
トイレ | なし |
文化財 | 史跡 條ウル神古墳 |
最寄駅 | JR和歌山線「玉手」駅より徒歩30分(2.2km) バスは近鉄御所駅より「宮戸橋」で降車して徒歩24分 または御所市コミュニティバス「條」で降車して徒歩5分 |
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