帝塚山大学附属博物館に行ってきました、の後編です!
古瓦をデザインした着物やアクセサリー、瓦をテーマにした俳句や小説、さらには耳で瓦の魅力を楽しめる展示が登場します。
ミュージアムグッズにも瓦がデザインされています。
撮影日:2019年12月06日(金)
耳で楽しむ瓦
詠む・描く・聴く
【詠む】の俳句、【描く】の日本画、【聴く】の音楽です。
左の掛軸は俳人の高浜虚子が詠んだ「光る瓦」掛軸です。
昔の田舎ではまぶしく光る屋根瓦がお金持ちの象徴になっていたそうです。
俳句の内容はまったくわかりませんw
右の掛軸は日本画家の猪飼嘯谷が描いた「桃山瓦図」掛軸です。
金箔を押した桐文軒丸瓦を題材にしていますが、模様はわりとざっくり描かれています。
常設展示室に展示されている桐文軒丸瓦(金箔瓦)です。
出土地は書かれていませんが、豊臣時代の大坂城を彩っていた瓦かもしれません。
古瓦を楽器にして演奏した音楽CD「瓦の音楽 musik genteng」が再生されています。
瓦の音だけのCDも面白いですが、瓦をテーマにした展示でそれを流すという着想が素敵です。
こちらのCDはNPO法人淡路島アートセンターのオンラインショップで購入できます。
商品ページはこちら、YouTubeで公開されているプロモーション映像はこちらです。
瓦を愛する人々
着る・付ける・書く
仏教考古学者で文学博士の石田茂作が鬼瓦などを墨で描いた「古瓦戯画」着物です。
鬼瓦は東大寺講堂のものを、軒丸瓦と軒平瓦は法隆寺のものをモデルにしているそうです。
古瓦研究は石田博士の出発点であり、1930年(昭和5年)に『古瓦図鑑』を、1936年(昭和11年)に古瓦の編年と寺院跡の調査の成果である『飛鳥時代寺院址の研究』を上梓しています。
「瓦礫洞人」という雅号を用いていたことからも古瓦への深い愛がうかがえます。
東大寺講堂の鬼瓦復原品です。
大きな目とブタ鼻、鋭い鬼歯が特徴のかわいらしい鬼面文鬼瓦です。
【着る】の着物と帯、【付ける】のアクセサリー、【書く】の小説です。
古瓦を図柄としてあしらった古瓦文帯です。
カフスとネクタイピンは飛鳥寺創建時の軒丸瓦を、ピンブローチは室町時代の鬼面文鬼瓦をモデルにして作られた古瓦アクセサリーです。
小説家で児童文学者の鈴木三重吉が著した短編集で鈴木三重吉『瓦』です。
自伝小説である表題作に、自分の幼少期を象徴するものとして瓦が登場するそうです。
こちらの美しい装丁の本は、1915年(大正4年)に春陽堂から刊行された全13編の『三重吉全作集』のうちの1冊でしょうか。
「瓦」は岩波文庫、新潮文庫、角川文庫の『千鳥』にも収録されています。
贈る
最後の【贈る】は帝塚山大学考古学研究所が贈品として制作した瓦グッズです。
左は高句麗の蓮蕾文軒丸瓦を型取りして、右は古新羅の素弁蓮華文軒丸瓦をモデルにして制作された朝鮮古瓦レプリカです。
右は帝塚山大学附属博物館の開館を記念して2004年(平成16年)に作られたそうです。
こちらは博物館のシンボルである瓦をデザインした古瓦ミュージアムグッズです。
記念品として制作された絵葉書、一筆箋、クリアファイルで販売はされていないみたいです。
しかし今回は、簡単なアンケートに協力するだけで鬼瓦のクリアファイルがもらえる嬉しい企画が実施されています!
常設展示室に展示されている鬼面文鬼瓦です。
上記のクリアファイルとピンブローチはこちらの鬼瓦がモデルになっています。
特別展示「日々好瓦―瓦を愛でる―」は2019年12月23日まで開催されています。
前回の企画展示のときにも思いましたが、タイトルの語感がすごくいいですね。
あとがき
展示物の並べ方や解説文から古瓦への愛を感じられる素敵な展覧会でした。
ほかの博物館では見られない展示内容でとても面白かったです!
アクセス情報
サイト | https://www.tezukayama-u.ac.jp/museum/ (帝塚山大学) | ||
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所在地 | 奈良県奈良市帝塚山7-1-1 (帝塚山大学構内) | ||
電話 | 0742-48-9700 | ||
入館料 | 無料 | ||
開館時間 | 09:30~16:30 | ||
休館日 | 日曜日 祝日 大学休講日 |
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イベント | 第33回特別展示「日々好瓦―瓦を愛でる―」
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駐車場 | 無料駐車場あり 6台 | ||
トイレ | あり | ||
文化財 | |||
最寄駅 | 近鉄奈良線「東生駒」駅より徒歩24分(1.8km) バスは東生駒駅より「帝塚山大学」で降車して徒歩4分 |
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