奈良市にある第一次大極殿に行ってきました!
第一次大極殿は平城宮の中心的建物である大極殿を復元した施設です。
平城宮跡資料館を見学したあとそのまま訪れましたが、歩いて5分ほどの近さでした。
撮影日:2019年05月22日(水)
高御座の実物大模型があります
今まで第一次大極殿は外観だけのはりぼてだと思っていたのですが、建物の内部では展示も行われていて無料で見学できます。
今回は新天皇陛下ご即位を記念して特別展示も行われていました。
大極殿の外観
平城宮跡の北端中央に復元された第一次大極殿です。
建物は東西約44.0メートル、南北約19.5メートル、基壇を含めた高さが約27.1メートルという大きさで、総工費約180億円と9年の歳月をかけて2010年(平成22年)に完成しました。
第一次大極殿は和銅3年(710年)の平城京遷都にともなって藤原宮から移築された大極殿で、さらに天平12年(740年)の恭仁京遷都で恭仁宮へ移築されました。
第一次大極殿が建っていた第一次大極殿院は国家儀式が行われた場所で、天皇は大極殿に出御して高御座に着座し、大極殿の南に広がる内庭には貴族が立ち並んだそうです。
天平17年(745年)に再び平城京に遷都されたとき、第一次大極殿があった場所の東側に新しく造営された大極殿は第二次大極殿と呼ばれます。
建物の裏側に回って階段を上り、側面の扉から大極殿のなかに入ることができます。
スロープも設置されていますが、基壇の高さが約3.4メートルもあるので距離が長いうえに4回も折り返していて車いすで上がるのは大変そうです。
バス停はすぐ近くにありますが、周辺に駐車場はありません。
高御座の実物大模型
第一次大極殿の内部です。
平城宮跡資料館と同じく入館無料です。
柱が多いためか外観から想像していたよりも内部は狭く感じました。
天皇の玉座である高御座の実物大模型です。
高御座のなかには胡床が置かれています。
平城宮跡資料館に展示されていた胡床とは細部が少し異なっていました。
特別展示「宝幢・四神旗(幡)―即位式・元日朝賀の調度―」が開催されていて、高御座の周囲に3本の宝幢と四神旗の復元品が飾られています。
宝幢と四神旗は即位の礼と元日の朝賀だけに用いられた調度で、奈良時代には7本の幢旗が大極殿の前に横一列に並べられたそうです。
開催期間は2019年6月28日までです。
宝幢の一つで三足烏をかたどった烏形幢(銅烏幢)です。
展示されている幢旗の高さは3メートルで、実物の1/3の大きさで復元されています。
斜め後ろからパシャリ。
高御座の正面が光り輝いていてなんとなく気高い感じがしますw
天皇陛下御製碑もあります
大極殿内部には天皇陛下の御製を刻んだ歌碑が建立されています。
御製とは天皇陛下が詠まれた詩歌で、天皇陛下以外の皇族が詠まれた詩歌は御歌といいます。
その他の展示物
大極殿の概要や復元に至るまでの研究成果をパネル展示で紹介しています。
大極殿の屋根のいちばん上の両端についている鴟尾です。
鴟尾はほとんどが瓦製で木製や石製もありますが、大極殿の鴟尾は破片さえも出土していないことから金銅製で、のちに溶かして再利用されたと考えられています。
それよりも尾部に生えているトゲトゲが気になりますw
大極殿の屋根のいちばん上の中央についている大棟中央飾りです。
形は法隆寺東院夢殿の屋根の上についている宝珠を参考にされたそうです。
出土した瓦から忠実に復元された軒瓦(軒丸瓦・軒平瓦)です。
大極殿の瓦は特有のしっとりとした黒色をしているそうですが、電球色のスポットライトを当てられているせいで変な色味になっています。
天井の格間(格子状に組んだ木材に囲まれた区画)に描かれている蓮華文です。
原画は奈良市在住の日本画家の上村淳之さんによるものです。
支輪(天井を斜めに折り上げている部分)にもハスを図案化した模様が施されています。
2010年(平成22年)10月7日、平城遷都1300年記念祝典ご臨席のために平城宮跡をご訪問された天皇陛下(現上皇陛下)が、第一次大極殿をご視察された際のことを詠まれた御製です。
大極殿いま 目の前に立つ
空間との調和や可動式にすることなどの制約があったのだと思いますが、もっとこう…橿原神宮の皇后陛下御歌碑のような美しい御製碑にして欲しかったです。
大極殿からの眺め
大極殿のテラス(?)からの眺めです。
若草山がすぐ近くに見えるように感じます。
築地回廊の復元工事に向けて、大極殿院を取り囲んでいた修景柵の撤去作業が行われています。
西は生駒山と矢田丘陵を望みます。
南面と東面はすでに修景柵が撤去されていますが、西面にはまだ残っています。
仮設置の柵に2億4000万円もかけていたなんて、奈良県はお金持ちですねーw
第一次大極殿と若草山をパシャリ。
ギリギリですがなんとかフレームに収めることができましたw
大極殿の右横に写っている建物は公衆トイレです。
あとがき
築地回廊の復元は数百億円をかけて2033年に完成する予定だそうです。
築地回廊は基壇を含めた高さが8メートルほどになるそうなので、最後の写真のような第一次大極殿と若草山が収まった風景はもう見られなくなるかもしれないですね。
アクセス情報
サイト | https://www.nabunken.go.jp/heijo/museum/guide.html (奈良文化財研究所) | ||
---|---|---|---|
所在地 | 奈良県奈良市佐紀町 | ||
電話 | 0742-30-6753 (奈良文化財研究所連携推進課) | ||
入館料 | 無料 | ||
開館時間 | 09:00~16:30 (受付は16:00まで) | ||
休館日 | 月曜日 (祝日の場合は翌日) 年末年始 (12月29日から1月3日まで) |
||
イベント | 特別展示「宝幢・四神旗(幡)―即位式・元日朝賀の調度―」
|
||
駐車場 | なし ※平城宮跡資料館駐車場を利用 無料 約50台 08:30~17:00 |
||
トイレ | なし ※すぐ近くに公衆トイレあり |
||
文化財 | |||
最寄駅 | 近鉄奈良線「大和西大寺」駅より徒歩15分(1.1km) バスは大和西大寺駅より「佐紀町・大極殿」で降車してすぐ |
ご意見掲示板