奈良市にある平城宮跡資料館に行ってきました!
平城宮跡資料館は平城宮跡のことをわかりやすく解説する資料館です。
昨年(2018年)の8月に訪れたばかりですが、今回は皇太子徳仁親王殿下のご即位を記念して開催されている特別企画展が目当てで行ってきました。
撮影日:2019年05月22日(水)
天皇陛下の玉座
平城宮跡資料館では特別企画展「高御座―奈良朝の玉座―」が開催されていて、奈良時代の高御座を復元した模型などが展示されています。
高御座は天皇の玉座で、即位の礼や元日の朝賀など重要な国家儀式が行われる際に大極殿の中央に設営されていました。
高御座の模型
飛鳥資料館は有料でしたが平城宮跡資料館は入館無料です。
個人的には200円くらいは入館料を取ってもいいのではないかと思いますw
収容台数が約50台の広い駐車場も無料で利用できます。
特別企画展は企画展示室で開催されています。
常設展示と同じく写真撮影オッケー(フラッシュ撮影禁止)です。
開催期間は2019年6月2日までです。
部屋の中央にポツンと展示ケースが置かれていて、怪盗が盗みに来るお宝みたいですw
奈良時代の高御座の検討過程を紹介するパネル展示が中心で、展示物は少なめでした。
こちらが奈良時代の高御座復原模型(縮尺1/10)です。
この高御座は古制に則って造られた現在の高御座をベースに、文献資料だけではなく正倉院宝物や法隆寺献納宝物などを参考にして復元されました。
反対側からパシャリ。
写り込みがひどいですねw
高御座内部の中央に置かれる胡床と呼ばれるイスです。
正倉院宝物のなかで唯一のイスである赤漆欟木胡床を参考にして製作されました。
かっこいいですが座り心地はあまり快適ではなさそうですねw
パネル展示
平城宮内裏北外郭官衙から出土した鳳凰文鬼瓦です。
高御座の天蓋頂部に飾られる鳳凰を考証する際の参考にされました。
東院庭園の隅楼の屋根の上にいる鳳凰のモデルにも採用されています。
高御座の復元案を検討している資料です。
この資料では全幅に対する全高の比率に関して1:1.024案と1:1.24案が検討されています。
実物大に復元された高御座の写真パネルです。
この実物大模型は第一次大極殿のなかで展示されています。
開館時間内であれば見学できるので、このあと行って見てきましたw
江戸時代後期の高御座の絵図パネルです。
弘化4年(1847年)に孝明天皇の即位の礼で使用されたものですが、安政元年(1854年)の火災により紫宸殿とともに焼失しました。
そのため明治天皇の即位の礼では御帳台で代用されたそうです。
院政期の高御座の絵図パネルです。
「文安御即位調度之図」は平安時代院政期の即位の礼で使用された調度を描いたものと考えられていて、現在の高御座を新造するときの参考にされました。
現在の高御座の写真パネルです。
大正天皇の即位に際して新造されたもので、昭和天皇と上皇陛下の即位の礼でも使用されました。
普段は皇后の玉座である御帳台とともに京都御所の紫宸殿に安置されていますが、今年10月の即位礼正殿の儀で使用されるため現在は皇居に移送されています。
一眼レフカメラも展示されています
特別企画展を見たあとは常設展示の遺物展示コーナーを見学しました。
前回は立ち入らなかった中庭にも展示があるということでそちらにも行ってきました。
遺物展示コーナー
平城宮跡の発掘調査で出土した遺物を展示する遺物展示コーナーです。
前回は見落としていたものがたくさんあったのでいくつか撮影してきました。
奈良時代の人々が遊びに使っていたこまやさいころなどの玩具です。
竹とんぼのようなものは素材が竹ではなくヒノキであることから、竹とんぼならぬ「木とんぼ」と名づけられたそうですw
奈良時代の人々が食べていたモモやクルミなどの植物の種です。
ここに展示されている種は井戸や排水路などから出土したものだと思いますが、糞便遺構つまりはポッタン便所のうんちのなかからも種が見つかっているそうですw
ハシバミというのははじめて知りましたが、お菓子にもよく使われているヘーゼルナッツはハシバミの同属異種にあたるセイヨウハシバミの果実だそうです。
人間をかたどった木の人形(レプリカ)です。
奈良時代の人々は災いや病気の原因となるケガレを祓うために、木で作った人形や顔を描いた土器などにケガレを移して水に流したそうです。
研究員の机を再現した展示です。
厚さを測るためのキャリパーや輪郭を写し取るためのマーコ(真弧)など、出土した遺物の図面を作るための道具が置かれています。
トンボ鉛筆の赤青鉛筆やオルファのカッターナイフなど身近な文具もありました。
接写用カメラセットというタイトルの展示もあります。
カメラ本体はフルサイズのEOS 6D、レンズはEF100mm F2.8L マクロ IS USM、スピードライトにマクロツインライトMT-24EXです。
どうやら奈良文化財研究所はキヤノン党のようですねw
中庭
ミュージアムショップ横の休憩室から中庭に出ることができます。
休憩室にはイスとテーブル、自動販売機、無料のロッカーが設置されています。
展示室は少し暑かったですが、休憩室はエアコンがよく効いていて気持ち良かったですw
中庭の池のなかには六つの大きな石が並べられています。
長屋王の別邸である作宝楼に想定される庭園で発見された景石を移築したものだそうです。
出入り口のすぐ横に立っている標石には「従是東 平城京」と刻まれています。
詳細は不明ですが歴史的な価値があるものではないみたいです。
北西の隅には平城京の正門である羅城門の礎石が置かれています。
1935年(昭和10年)に羅城門跡で見つかった四つの礎石のうちの一つです。
羅城門跡は朱雀門からまっすぐ南へ3.8キロ、佐保川にかかる羅城門橋から南へ30メートルのところにあり、かつては来世橋という橋がかけられていたそうです。
あとがき
高御座の精巧で美しい復元模型は見ていてとても面白かったです。
いつでも見られるように模型展示コーナーに常設してほしいですw
2021年8月27日現在、模型展示コーナーで常設展示されていました。
アクセス情報
サイト | https://www.nabunken.go.jp/heijo/museum/ (奈良文化財研究所) | ||
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所在地 | 奈良県奈良市佐紀町247-1 | ||
電話 | 0742-30-6753 (奈良文化財研究所連携推進課) | ||
入館料 | 無料 | ||
開館時間 | 09:00~16:30 (受付は16:00まで) | ||
休館日 | 月曜日 (休日の場合は翌平日) 年末年始 (12月29日から1月3日まで) |
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イベント | 特別企画展「高御座―奈良朝の玉座―」
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駐車場 | 無料駐車場あり 約50台 08:30~17:00 | ||
トイレ | あり | ||
文化財 | |||
最寄駅 | 近鉄奈良線「大和西大寺」駅より徒歩13分(1.0km) バスは大和西大寺駅より「二条町」で降車して徒歩3分 |
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