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特別展「飛鳥の石造文化と石工」開催中の飛鳥資料館に行ってきました! 前編

飛鳥資料館/亀形石槽(アップ)_tmb

明日香村にある飛鳥資料館あすかしりょうかんに行ってきました!

飛鳥資料館は飛鳥地域から出土した遺物や石造物を展示する資料館です。
今回は特別展「飛鳥の石造文化と石工」が開催されていて、展示室と庭園を利用した展示で飛鳥の謎多き石造物が紹介されています。

撮影日:2020年09月01日(火)

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碧き光に照らされし異形のモノ

特別展示室

飛鳥資料館/建物

前回は重要文化財の石造物を見落としたので、ずっと再訪したいと思っていました。
入館料は350円に値上げされましたが、JAF会員証の提示で250円になります。
玄関前に置かれていたせんとくんさんのパネルはお払い箱になったようですね。

飛鳥資料館/特別展示室前

特別展「飛鳥の石造文化と石工」は展示室と庭園で開催されています。
地下の特別展示室では猿石や亀形石槽といった飛鳥の石造物や、近現代の石工が実際に使っていた道具などが紹介されています。
開催期間は2020年9月22日までです。

飛鳥資料館/特別展示室

特別展示室はこんな感じです。
手前に猿石、中央に亀形石槽、奥に石工の道具などが展示されています。
常設展示と同じく写真撮影オッケー(フラッシュ撮影禁止)です。

飛鳥資料館/特別展示室(反対)

こちらに展示されている石造物はすべてレプリカです。
庭園にも同じものがありますが、こちらは冷房が効いていて虫もいませんw

猿石

飛鳥資料館/高取の猿石

高取の猿石です。
オリジナルは高取城の二の門跡の近くにあります。
高取城の築城時に石材として運ばれたと考えられています。
説明板からの引用です。

猿石の用途は苑池えんちの装飾など諸説あるが不明。猿石の名称は後世に外見からつけられたに過ぎない。
飛鳥資料館/猿石(男)

猿石(男)です。
猿石は全部で4体あり、それぞれの特徴から「僧(法師)」・「山王権化さんのうごんげん」・「女」・「男」という名前がつけられています。
オリジナルは4体とも吉備姫王墓きびひめのみこのはかの墓域内に置かれています。

飛鳥資料館/猿石(山王権現)

猿石(山王権現)です。
この写真はロックバンドのCDジャケットみたいで好きですw

飛鳥資料館/猿石(山王権現の背面)

こちらは猿石(山王権現)の背面側です。
4体の猿石のうち「僧(法師)」以外の3体は背面にも顔が彫刻された二面石です。
キャプションによると「山王権現」の背面は牙を持つ異形の像、「男」の背面はうずくまる邪鬼のような像、「女」の背面は鳥のような異形の顔になっているそうです。
雰囲気を出すためなのか、背面側は緑色のライトで照らされています。

飛鳥資料館/猿石(女)

猿石(女)です。
おっぱいがついていることから「女」と名づけられたそうです。
キャプションには「陽物らしき表現があるので男性であろう」と書かれていました。

飛鳥資料館/猿石(僧)

猿石(僧)です。
「僧(法師)」の背面には背骨と肋骨が浮き出ています。

飛鳥資料館/人頭石

人頭石じんとうせきです。
顔が彫られているのは左半分だけで反対側は平らになっています。
オリジナルは高取町の土佐街道に面して建つ光永寺にあります。

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ユーモラスなカメの形をした水槽

亀形石槽

飛鳥資料館/亀形石槽

亀形石槽かめがたせきそう(亀形石造物)・船形石槽ふながたせきそうです。
亀形石槽に酒船石さかふねいしや石垣などを含めて酒船石遺跡と呼ばれ、史跡に指定されています。
オリジナルは奈良県立万葉文化館のすぐ南にあります。

飛鳥資料館/亀形石槽(左)

亀形石槽は長さ約2.4メートル、幅約2メートルのカメの形をした石造物です。
湧水施設から船形石槽に供給された水が亀形石槽の頭部の穴に流れ込み、甲羅部分に溜まって尻尾の穴から流れ出す構造になっています。

飛鳥資料館/亀形石槽(アップ)

カメ説とスッポン説があるようですが、どちらにしてもユーモラスな形です。
こちらのレプリカは灰黒色の斑点まで再現されていてオリジナルにそっくりです。

飛鳥資料館/古代飛鳥で使われた石

古代の飛鳥で使われていた石を紹介する展示もありました。
いちばん左は飛鳥石あすかいし、その隣は榛原石はいばらいし、右の二つは二上山の凝灰岩です。
説明板からの引用です。

古代の飛鳥では、石造物にも多用された飛鳥石をはじめ、二上山の凝灰岩、天理砂岩、榛原石など、比較的近くで産出した石材が多用された。
石材は種類に応じた利用がうかがわれる。硬い飛鳥石は石造物のほかに石室や礎石など、軟質で加工しやすい二上山の凝灰岩は切石の石室や基壇化粧など、天理砂岩は石垣や敷石など、板状に割れる性質の榛原石は敷石などに使われた。

石工の技術と道具

飛鳥資料館/石工の技術と道具

「現代に続く石工の技術と道具」のコーナーです。
近現代の石工が実際に使っていた道具や、レプリカ製作時の図面などが展示されています。
プロジェクターでは庭園展示に新たに加わった亀形石槽の製作過程が紹介されていました。
ノミとセットウを使って手作業で加工されていて驚きましたw

飛鳥資料館/石工の技術と道具(反対)

こちらは石材加工の工程と使用される道具がパネルで紹介されています。

飛鳥資料館/石工の道具(中央)

近現代の石工の道具です。
基本的には「たがね」と「つち」ですが、用途に合わせてそれぞれ形状が異なっています。

飛鳥資料館/石工の道具(右)

こちらも近現代の石工の道具です。

飛鳥資料館/特別展示室(全体)

オリジナルの猿石や亀形石槽は離れたところからしか見学できません。
レプリカとはいえ精巧に複製されているので、間近で見ることができるのは嬉しいです。

つづく

後編につづきます!
後編では重要文化財に指定されている石造物が登場します。

飛鳥散策のガイドブックに
飛鳥への招待
飛鳥学冠位叙任試験問題作成委員会(著)、今尾文昭(編)
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アクセス情報

■ 飛鳥資料館 (あすかしりょうかん)

サイト https://www.nabunken.go.jp/asuka/ (奈良文化財研究所)
所在地 奈良県高市郡明日香村奥山601
電話 0744-54-3561
入館料 350円 ※JAF会員証提示で100円引き (5名まで)
開館時間 09:00~16:30 (受付は16:00まで)
休館日 月曜日 (祝日の場合は翌平日)
年末年始 (12月26日から1月3日まで)
イベント 令和2年度特別展「飛鳥の石造文化と石工」

開催期間: 2020年8月4日(火)から9月22日(火)まで
駐車場 無料駐車場あり 10台
トイレ あり
文化財 重要文化財 石造須弥山/石造男女像/奈良県髙市郡明日香村飛鳥字石神出土
重要文化財 高松塚古墳出土品
重要文化財 奈良県山田寺跡出土品
最寄駅 近鉄橿原線「橿原神宮前」駅より徒歩41分(3.1km)
バスは橿原神宮前駅より「明日香奥山・飛鳥資料館西」で降車して徒歩3分
または桜井駅より「飛鳥資料館」で降車してすぐ

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