天理市にある天理大学附属天理参考館に行ってきました!
天理参考館は世界各地の生活文化と考古美術の資料を展示する博物館です。
天理教的な要素はほとんどなく、誰でも楽しめる展示内容になっています。
撮影日:2019年01月11日(金)
シャッタースピードを稼ぐためにISO感度を上げすぎていました。
ノイズで見苦しい写真ですが薄目で見ていただけると幸いです。
妖しく美しい台湾の祭壇
天理参考館は1階から3階の各フロアに展示室があります。
1階には世界各地から集められた民芸品や祭祀用具などが展示されています。
アイヌのコーナー
天理参考館は「おやさとやかた」と呼ばれる天理教の建物群の一つに入っています。
入館料は400円、JAF会員証の提示で300円になります。
受付の前に券売機がありますが、割引を利用する場合は受付に申し出ます。
2020年4月1日より入館料が500円に値上げされました!
エントランスホールに展示されているオルメカ石頭像のレプリカです。
メキシコで栄えたオルメカ文明の巨石人頭像のうちの一つで、サン・ロレンソ遺跡で最初に発見されたことから「サン・ロレンソ1号」と呼ばれています。
展示は写真撮影オッケー(フラッシュ撮影禁止)です。
北海道や我が国固有の領土である北方領土の先住民族であるアイヌのコーナーです。
儀式や祭事で使用する晴れ着や樹皮繊維で織った「アットゥシ」と呼ばれる着物には、アップリケのように白い布を縫いつけた上に刺繍が施されています。
朝鮮半島のコーナー
朝鮮半島で村落の入り口に立てられるチャンスン(長生標)です。
外部からの災いを防ぐ守り神であり、行き先までの距離を示す道標でもあります。
木柱の上部に異形の人面が彫られていて、ヒゲの有無や胴体に刻まれた将軍の名前によって男女の区別があるそうです。
「パガジ(ひょうたん)の仮面と楽器」エリアです。
丸い形のヒョウタンを二つに割って果皮を乾燥させた「パガジ」で作られた仮面と、この仮面をつけて演じられる仮面劇で使用される楽器が展示されています。
仮面は演者の声が伝わりやすいように、口を大きく開けて作られています。
笑顔のような表情がかなり不気味ですw
中国・台湾のコーナー
「台湾の人形芝居」エリアです。
左から影絵人形劇(皮影戯)、指人形劇(布袋戯)、糸あやつり人形劇(傀儡戯)の人形です。
人形芝居は娯楽としてだけではなく、祝い事や不幸の際にも演じられるそうです。
影絵人形はウシやロバなどの皮に細やかな彫刻と鮮やかな彩色を施して作ります。
影絵というとシルエットのイメージですが、皮影戯は人形をスクリーンに押し当てて行われるので色のついた影が映し出されます。
指人形の頭部と手足は木製ですが、袋状になっている衣服の下から操偶師が手を入れて操作することから布袋戯という名称がついたといわれています。
道教の廟の本殿を模した彩楼と呼ばれる舞台には繊細な彫刻が施されています。
「祈りとくらし」エリアです。
正装した文官を描いた門扉と、太鼓の形を模した抱鼓石、龍を彫刻した龍柱です。
家のなかに病気などの災いが入らないようにする魔よけの意味と、立身出世の願いを込めて門扉に絵を描いたり門前に石造物を据えたりします。
左の「祭祀の間」には祭壇や祭祀用具が、右の「寝室」には寝台などが展示されています。
台湾の家庭ではこのような祭壇を設けて神さまやご先祖さまを祀るそうです。
日本の仏壇とは違って色鮮やかで、どことなく妖しい雰囲気があります。
小学生のときに見たキョンシー映画を思い出しましたw
中国の子授け祈願人形(泥娃娃)です。
子どもを授かりたいと願う女性は、子宝と安産の女神である註生娘娘(チューションニャンニャン)を祀る廟を参拝して泥娃娃(ニイワーワー)を買って帰るそうです。
人形が胸に抱くコイは立身出世を、ボタンは富貴を願う吉祥文様です。
鳥人間に担がれるバリの神さま
神々の島とも形容されるバリ島では、島に住む人のほとんどが「バリ・ヒンドゥー」と呼ばれる独自の宗教を信仰しています。
バリ・ヒンドゥーは土着の精霊崇拝とインドの仏教やヒンドゥー教が習合した宗教です。
台湾の先住民のコーナー
「祖霊が宿るパイワンの民具」エリアです。
パイワン族は台湾に住んでいる原住民族の一つです。
台湾には中国大陸から移住してきた漢民族のほかに、それ以前から台湾に住んでいた原住民も少数ですが暮らしています。
パイワン族の木製祖霊像「チャジ」です。
祖霊を畏れ敬い、祖霊とともに生きてきたパイワン族ですが、後ろの祖霊像にはどう見てもおちんちんが彫られていますねw
左の祖霊像の上部に彫られているのはヒャッポダ(百歩蛇)という毒蛇で、祖先を誕生させた神聖な生き物としてパイワン族の人々に崇拝されています。
バリのコーナー
「バリ・ヒンズーの造形」エリアです。
ヒンドゥー教の神像やバリに伝わる聖獣の仮面などが展示されています。
翼を持つ獅子「シンガ」です。
神社の狛犬のように、バリ島の寺院では守り神としてシンガの石像が置かれているそうです。
ガルーダに乗るヴィシュヌの像です。
ヴィシュヌはブラフマーやシヴァとともに三神一体をなす維持の神、ガルーダは人間の胴体とワシの頭部を持つ神の鳥です。
乗っているというよりも肩車をされているみたいでかわいいですw
獅子面「バロン・ケケット」です。
舌にバリ文字で呪文が記されていて邪悪そうな雰囲気ですが、悪の象徴である魔女ランダと永劫の戦いを続ける善の象徴だそうです。
こちらは稲の女神「チリ」の人形です。
表情が『ちびまる子ちゃん』のはまじに似てて面白いですw
ボルネオのコーナー
「ボルネオの民族芸術」エリアです。
中央のカラルフな丸い形のものはビーズ玉で飾った円笠「サオン」で、カヤン族の女性はボルネオ島の厳しい日差しを防ぐためにこのような笠をかぶります。
左端にかけられている織物は鰐・幾何学文様の絣「プア」で、イバン族では敷物や帳としてだけではなく死体をくるんで葬るためにも使われます。
つづく
中編ではインドやパプアニューギニアのコーナー、2階の展示室を見学します。
アクセス情報
サイト | https://www.sankokan.jp/ (公式) |
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所在地 | 奈良県天理市守目堂町250 |
電話 | 0743-63-8414 |
入館料 | 400円 ※JAF会員証提示で100円引き (4名まで) 2020年4月1日より入館料が500円に値上げされました! |
開館時間 | 09:30~16:30 (受付は16:00まで) |
休館日 | 火曜日 (休日の場合は翌平日、天理教教会本部行事期間は開館) 創立記念日 (4月28日) 夏期 (8月13日から8月17日まで) 年末年始 (12月27日から1月4日まで) |
駐車場 | 無料駐車場あり 60台 |
トイレ | あり |
文化財 | 重要文化財 埴輪男子胡坐像 重要文化財 埴輪武装男子立像 |
最寄駅 | 近鉄天理線「天理」駅より徒歩20分(1.5km) バスは天理駅より「天理教本部前」で降車して徒歩3分 |
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