香芝市にある香芝市二上山博物館に行ってきました!
二上山博物館は二上山の石と旧石器文化を紹介する博物館です。
今回は企画展「飛鳥の王陵と平野塚穴山古墳―平野塚穴山古墳の被葬者を推理する―」が開催されていて、平野塚穴山古墳や飛鳥の古墳からの出土品などが展示されていました。
企画展にちなんで平野塚穴山古墳も見学してきました。
撮影日:2021年12月21日(火)
心霊写真が撮れてしまった
凝灰岩と古代
二上山博物館はふたかみ文化センターの1階にあります。
施設内にはレストランや図書館も併設されています。
駐車場は建物の正面と地下にあり、無料で利用できます。
入館料は200円、JAF会員証提示で150円になります。
常設展示は一部を除いて写真撮影オッケー(フラッシュ撮影禁止)です。
常設展は「二上山と3つの石~よみがえる旧石器時代~」をメインテーマとしています。
千数百万年前の大噴火によって生まれたサヌカイト、凝灰岩、金剛砂(ガーネット)を中心に、旧石器時代から現代までの石と人々の暮らしを紹介しています。
「凝灰岩と古代」コーナーです。
凝灰岩は古墳時代には石棺や石室に、飛鳥・奈良時代には寺院などの礎石や基壇に、平安時代以降は灯籠や五輪塔などの石造物に利用されました。
写り込みのせいでなんだか心霊写真みたいになってますね……w
幽霊の正体はかしの木博士のモグ君とモグちゃんです。
二上山博物館に住んでいて香芝市のことならなんでも知っているという設定です。
金銅威奈大村骨蔵器(レプリカ)です。
金銅製の骨壺で、蓋には391文字の墓誌銘が放射状に陰刻されています。
威奈大村は宣化天皇の4世孫で、異母姉に鏡王女と額田王がいます。
オリジナルは大阪市の四天王寺所蔵(京都国立博物館寄託)で、国宝に指定されています。
高山火葬墓木櫃(底部)と出土品です。
火葬骨を入れた骨壺や和同開珎などの出土品と、それらが納められていた木櫃の底部です。
香芝市指定文化財に指定されいますが、一緒に展示されている壺はレプリカです。
尼寺廃寺
「尼寺廃寺」コーナーです。
尼寺廃寺は南北に並んでいた二つの古代寺院で、2002年(平成14年)に尼寺北廃寺の寺域が「尼寺廃寺跡」として史跡に指定されています。
2016年(平成28年)には香芝市尼寺廃寺跡史跡公園と学習館が完成しています。
尼寺北廃寺塔心礎柱座(復元模型)です。
模型は柱座部分だけですが、実物は約3.8メートル四方の巨石で日本最大級の心礎です。
左は尼寺北廃寺心柱(復元模型)です。
尼寺廃寺塔跡心礎出土品です。
耳環やガラス玉などの舎利荘厳具で、奈良県指定文化財に指定されています。
尼寺北廃寺出土の単弁八弁蓮華文軒丸瓦(坂田寺式)です。
坂田寺と同范の軒丸瓦で、塔に使用されていたと考えられています。
同じく尼寺北廃寺出土の複弁八弁蓮華文軒丸瓦(川原寺式)です。
川原寺式に分類される軒丸瓦で、金堂に使用されていたと考えられています。
被葬者の謎にせまる
サヌカイト
サヌカイトは旧石器時代から弥生時代までナイフ形石器などの材料として利用されました。
北海道から九州まで全国各地で出土したサヌカイト製石器が展示されています。
前回はなかった展示ケースには子持勾玉が展示されていましたが撮影禁止でした。
「これがサヌカイトだ」コーナーです。
奥の「二上山の旧石器」コーナーでは後期旧石器時代のナイフ形石器などが展示されています。
素人目にはただの石ころにしか見えませんが約2万年前のものでとても貴重な資料です。
「石器のふるさと二上山」コーナーです。
縄文時代と弥生時代の遺跡から出土した石器や土器などが展示されています。
企画展「飛鳥の王陵と平野塚穴山古墳―平野塚穴山古墳の被葬者を推理する―」は企画テーマ室で開催されています。
平野塚穴山古墳や明日香村の牽牛子塚古墳からの出土品、香芝市指定文化財の伝今泉出土銀装大刀や平野2号墳棺台などが展示されていました。
残念ながら企画展は撮影禁止なので写真はありません。
平野塚穴山古墳
ということで香芝市平野塚穴山古墳史跡公園にやってきました。
2016年(平成28年)から整備工事が行われ、昨年(2020年)4月1日に完成したばかりです。
二上山博物館から車で10分ほどの距離ですが、駐車場がないので香芝市尼寺廃寺跡史跡公園駐車場を利用して15分ほど歩くことになります。
博物館向かいの香芝市役所からコミュニティバスを利用すれば100円で徒歩3分です。
ほぼ築造当初の姿に復元された平野塚穴山古墳です。
7世紀末後半ごろに造られた古墳で、史跡に指定されています。
二段築成の方墳で上段一辺17.4メートル、上下段合わせて高さ5.4メートルです。
下段は墳丘が削られていて正確な規模は不明ですが、一辺25~30メートルと考えられています。
埋葬施設は二上山の凝灰岩を使用した横口式石槨です。
石室内には入れませんが、春と秋には石槨内部公開が行われているみたいです。
石室内からは当時最高級の棺である夾紵棺や漆塗籠棺の破片が出土しています。
また墳丘表面を二上山の凝灰岩で装飾していたことなどが飛鳥地域の王陵級の古墳と共通していることから、被葬者は王族級の人物であると考えられています。
被葬者は不明ですが押坂彦人大兄皇子の子である茅渟王が有力視されています。
茅渟王の妃は猿石でおなじみの吉備姫王で、子に皇極(斉明)天皇と孝徳天皇がいます。
あとがき
企画展の伝今泉出土銀装大刀は開墾中に出土した飛鳥時代の大刀で、刀身は錆びてボロボロなのに銀装の鞘口金具はピカピカなのが面白かったです。
大刀の復元美術刀剣が展示されていたのもわかりやすくてよかったです。
下田東1号墳の埴輪は企画展で入れ替わっていたので埴輪マニアは注意してください。
アクセス情報
サイト | https://www.city.kashiba.lg.jp/life/6/39/ (香芝市) | ||
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所在地 | 奈良県香芝市藤山1-17-17 ふたかみ文化センター1階 | ||
電話 | 0745-77-1700 | ||
入館料 | 200円 ※JAF会員証提示で50円引き (本人のみ) ※特別展開催中は別料金 |
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開館時間 | 09:00~17:00 (受付は16:30まで) | ||
休館日 | 月曜日 (休日の場合は翌平日) 年末年始 (12月28日から1月4日まで) |
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イベント | 令和3年度第3回企画展「飛鳥の王陵と平野塚穴山古墳―平野塚穴山古墳の被葬者を推理する―」
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駐車場 | 無料駐車場あり 62台 ※満車の場合は香芝市役所駐車場を利用 無料 約150台 |
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トイレ | あり (博物館内にはなし) | ||
文化財 | 奈良県指定文化財 尼寺廃寺塔跡心礎出土品 奈良県指定文化財 鶴峯荘第1地点遺跡出土品 香芝市指定文化財 刳抜式長持形石棺蓋石 香芝市指定文化財 鶴峯荘第1地点遺跡土坑2出土品 香芝市指定文化財 高山火葬墓木櫃(底部)と出土品 |
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最寄駅 | 近鉄大阪線「近鉄下田」駅より徒歩8分(600m) バスは香芝市コミュニティバス「香芝市役所」で降車してすぐ |
サイト | https://www.city.kashiba.lg.jp/soshiki/15/5975.html (香芝市) |
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所在地 | 奈良県香芝市平野1052 |
電話 | 0745-77-1700 (香芝市生涯学習課) |
入園料 | 無料 |
開園時間 | 24時間 |
休園日 | なし |
駐車場 | なし ※香芝市尼寺廃寺跡史跡公園駐車場を利用 無料 25台 09:00~16:30 |
トイレ | なし |
文化財 | 史跡 平野塚穴山古墳 |
最寄駅 | JR和歌山線「志都美」駅より徒歩15分(1.1km) バスは王寺駅より「白鳳台中央」で降車して徒歩7分 または香芝市コミュニティバス「白鳳台1号児童公園前」で降車して徒歩3分 |
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