明日香村にある飛鳥資料館に行ってきました!
飛鳥資料館は飛鳥地域から出土した遺物や石造物を展示する資料館です。
平城宮跡資料館や藤原宮跡資料館と同じく奈良文化財研究所の展示施設です。
撮影日:2019年05月10日(金)
飛鳥の謎の石造物が集う庭園
飛鳥資料館の正門から玄関までのあいだには庭園が整備されていて、明日香村とその周辺に点在している亀石や猿石、酒船石などの石造物を展示しています。
ほとんどがレプリカですが、レプリカならではの魅力を楽しむことができます。
正門
飛鳥資料館の敷地は明日香村と桜井市にまたがっていて、橿原方面から車で訪れる場合は桜井市のカントリーサインを通過してすぐのところに正門と駐車場があります。
駐車場は無料ですが収容台数は11台とかなり少なめです。
館内は入館料が必要ですが庭園は無料開放されています。
右の建物はかつてミュージアムショップだったようですが、現在は休憩所になっているのかイスと自動販売機と無料のロッカーが設置されていました。
休憩所の右隣にはトイレがあります。
飛鳥資料館の案内図です。
ツツジは見ごろを過ぎていたようで汚くなっていました。
亀石
正門に近いエリアには亀石と猿石がメインで展示されています。
奥の藤棚の下にはベンチが設置されていて休憩所になっています。
フジも見ごろを過ぎていたようで花は少し残っているだけでした。
カメに似ていることから亀石と呼ばれている石造物です。
顔が三角形であることや目が上に飛び出していることからカエル説もあるそうです。
オリジナルは明日香村中央公民館から歩いてすぐのところにあります。
反対側からパシャリ。
オリジナルは三方を垣根で囲まれているので、こちら側から観察したり写真に撮ったりできるのはレプリカならではのメリットです。
猿石
サルを思わせる顔から猿石と呼ばれている石造物です。
猿石は全部で4体あり、それぞれの特徴から「僧(法師)」・「山王権化」・「女」・「男」という名前がつけられていて、こちらは「僧(法師)」の猿石です。
オリジナルは欽明天皇陵に治定される梅山古墳の南の田んぼから掘り出されましたが、現在は4体とも吉備姫王墓の墓域内に置かれています。
こちらは「山王権現」の猿石です。
山王権現は日吉大社の主祭神として、また延暦寺の鎮守神として祀られる比叡山の神さまです。
飛鳥の石造物らしく立派なおちんちんがついていますw
こちらは「女」の猿石です。
かなり垂れていますがおっぱいがついていることから「女」と名づけられたそうです。
最後は「男」の猿石です。
4体の猿石のうち「僧(法師)」以外の3体は背面にも顔が彫刻された二面石です。
写真は「男」の背面側で、正面側は二つ上の写真にチラッと写っていますが、笑っているような男の顔とおちんちんがついているのが特徴です。
ちなみにオリジナルは石柵の内側に置かれているので背面側を見ることはできません。
オリジナルは高取城の二の門跡の近くにある高取の猿石です。
上記の4体と同じ場所で掘り出されたものが現在の場所に運ばれたと考えられています。
猿石のなかではこれがいちばんサルっぽい顔をしてますねw
大きな鼻と耳、前に突き出したアゴが特徴の人頭石です。
顔が彫られているのは左半分だけで反対側は平らになっています。
オリジナルは高取町の土佐街道に面して建つ光永寺にあります。
八釣・東山古墳群のマキト支群5基の一つを移築復元した八釣マキト5号墳です。
5号墳はマキト支群のなかで最も大きい直径22メートルの円墳です。
左隣に石室のようなものがありますがまだ準備中でした。
重要文化財のレプリカもあります
石造物のレプリカはまだまだあります。
橋を渡ると石人像や須弥山石、酒船石といった水にまつわる石造物が展示されていて、石と水の都とも形容される古代の飛鳥の風景を思わせます。
石人像
資料館の正面には石人像が展示されています。
岩に腰かけた男性に背後から女性が抱きついている石人像です。
内部には水が通る穴があけられていて、底から入った水が男性の口に当てている盃と女性の口から噴き出す仕組みになっていることから噴水であると考えられています。
オリジナルは盃の部分が欠けていますが、レプリカでは復元されて水も噴き出しています。
最初はアゴが外れたおじいさんと心配するおばあさんだと思いましたw
オリジナルはこちらの館内のロビーに展示されています。
石神遺跡から発掘されたもので重要文化財に指定されています。
須弥山石
資料館の東側には須弥山石と酒船石が展示されています。
内部をくり抜いた石を積み重ねた須弥山石です。
オリジナルは3段ですが中段と下段の石が繋がらないため、あいだにもう一つ石があったと考えられていて、こちらのレプリカは4段で復元されています。
石の模様が顔のように見えてだるま落としみたいで面白いですw
オリジナルはこちらの館内の第一展示室に展示されています。
石人像とともに石神遺跡から発掘されたものでこちらも重要文化財に指定されています。
酒船石
円や楕円のくぼみとそれらを結ぶ細い溝が刻まれた酒船石です。
下記の出水の酒船石と区別するために岡の酒船石とも呼ばれます。
酒をしぼる槽、あるいは油や薬を作るための道具と考えられていますが、酒船石へ水を引くための土管や石樋が見つかっていることから庭園の施設だという説もあるそうです。
オリジナルは奈良県立万葉文化館の南の小高い丘の上にあり、史跡に指定されています。
酒船石の近くで亀形石造物や石垣が発見され、酒船石を含めて酒船石遺跡と呼ばれています。
亀形石造物は入場料が300円ですが、酒船石は無料で自由に見学できます。
飛鳥川の東岸で掘り出された出水の酒船石です。
酒船石遺跡には含まれませんが、水を流す溝や穴があることから酒船石と呼ばれています。
オリジナルは某企業が所有する碧雲荘という邸宅の庭に移設され、一般には公開されていないので見ることはできません。
こちらの展示では荷車のわだちのような溝が刻まれた車石で二つの酒船石を繋ぎ、岡の酒船石から出水の酒船石に水が流れる仕組みになっています。
雑木林の前にぽつんと一つだけ猿石が置かれていました。
「山王権化」の猿石と同じ形ですが、こちらは若干くたびれているように見えますねw
風化してお払い箱になったところを再利用されたのでしょうか。
庭園にはここまでに紹介した石造物のほかに、山田寺と法輪寺の塔心礎のレプリカと奥山久米寺の講堂の礎石のオリジナルが展示されていました。
つづく
館内編前編につづきます!
館内編前編ではようやく館内に入って第一展示室を見学します。
アクセス情報
サイト | https://www.nabunken.go.jp/asuka/ (奈良文化財研究所) | ||
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所在地 | 奈良県高市郡明日香村奥山601 | ||
電話 | 0744-54-3561 | ||
入館料 | 270円 ※JAF会員証提示で100円引き (5名まで) 2020年4月1日より入館料が350円に値上げされました! |
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開館時間 | 09:00~16:30 (受付は16:00まで) | ||
休館日 | 月曜日 (祝日の場合は翌平日) 年末年始 (12月26日から1月3日まで) |
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イベント | 令和元年度春期特別展「骨ものがたり―環境考古学研究室のお仕事」
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駐車場 | 無料駐車場あり 10台 | ||
トイレ | あり | ||
文化財 | 重要文化財 石造須弥山/石造男女像/奈良県髙市郡明日香村飛鳥字石神出土 重要文化財 高松塚古墳出土品 重要文化財 奈良県山田寺跡出土品 |
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最寄駅 | 近鉄橿原線「橿原神宮前」駅より徒歩41分(3.1km) バスは橿原神宮前駅より「明日香奥山・飛鳥資料館西」で降車して徒歩3分 または桜井駅より「飛鳥資料館」で降車してすぐ |
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