撮影日記登山・ハイキング

暗越奈良街道を歩いてきました! 枚岡駅~暗峠~南生駒駅編 前編

暗越奈良街道/最急勾配地点

東大阪市にある暗越奈良街道くらがりごえならかいどう(国道308号)を歩いてきました!

奈良時代から難波と平城京を結んでいた暗越奈良街道を歩くシリーズです。
第一回は東大阪市の枚岡駅ひらおかえきから生駒山地の暗峠くらがりとうげを経て生駒市の南生駒駅を目指します。

撮影日:2022年05月18日(水)

暗越奈良街道マップ(1)
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ある句碑の数奇な運命

枚岡神社

暗越奈良街道/枚岡駅

近鉄奈良線の枚岡駅からスタートです。
今回のルートは歩く・ならの「伊勢本街道・暗峠越えハイキング」、てくてくまっぷの「【伊勢参宮本街道-2】暗峠・榁木峠越えコース」を参考にしています。
大阪府の歴史街道ウォーキングマップでもマップが公開されています。

暗越奈良街道/枚岡神社二の鳥居

駅前の石段を上ると枚岡神社ひらおかじんじゃがあります。
お詣りを兼ねて神社の境内を通り抜けさせていただきます。

暗越奈良街道/枚岡神社拝殿

枚岡神社の創建は、神武天皇が東征の途中でアメノタネコに命じてアメノコヤネとヒメガミの二神を神津嶽かみつだけに祀らせたことに始まります。
春日大社の創建時にこちらから二神を勧請したことから「元春日」とも呼ばれています。
タケミカヅチとフツヌシはのちに春日大社から勧請したそうです。

暗越奈良街道/枚岡神社大絵馬
※マウスオーバーでクロップした写真を表示します

生駒市在住の洋画家の安部敬二郎あべけいじろうさんが奉納されたトラの大絵馬です。
石川県能美市のいしかわ動物園に住むアムールトラの「ミタケ」(オス3歳)がモデルです。
安部さんは生駒市の往馬大社いこまたいしゃにも大絵馬を奉納されています。

暗越奈良街道/枚岡神社鶏鳴殿下

拝殿から鶏鳴殿(社務所)横を通って道路に出て、枚岡①番出入口から枚岡公園に入ります。
すぐ右手に姥が池があり、その先の「中の谷下」は左に進みます。

松尾芭蕉句碑

暗越奈良街道/椋ヶ根橋南

椋ヶ根橋くらがねばし南」にはトイレと休憩所があります。
左に行くと暗越奈良街道に出ますが、このまま園路を歩いてもあとで合流できます。

暗越奈良街道/椋ヶ根橋

豊浦川にかかる椋ヶ根橋を渡ります。
小さな橋ですがなかなかいい雰囲気です。

暗越奈良街道/椋ヶ根橋北

橋を渡った「椋ヶ根橋北」で暗越奈良街道(国道308号)に合流です。
ここからはコンクリート舗装の急な坂道を上りますが、その前にちょっと寄り道します。

暗越奈良街道/勧成院前

街道を少し下ると右手に勧成院かんじょういんという日蓮宗の寺院があります。
こちらの境内に松尾芭蕉の句碑が建っているので見学させていただきます。

暗越奈良街道/勧成院の松尾芭蕉句碑

豊浦村の俳人の中村来耜なかむららいしが寛政11年(1799年)に建立した松尾芭蕉句碑です。
元禄7年(1694年)に奈良から大坂へ向かう松尾芭蕉が暗峠で詠んだ句が刻まれています。

菊の香に くらがり登る 節句かな

もとは暗峠の街道脇に建てられ、行方不明になっていたのを発見されて移されたそうです。
境内には中村来耜句碑もあるそうですがそちらは見逃してしまいました。
松尾芭蕉句碑は東大阪市指定史跡に指定されていて、中村来耜句碑が附指定されています。

暗越奈良街道/勧成院のネコ
※クロップしています

勧成院の境内にいたネコ(₌ΦᴥΦ₌)
ふてこい感じがとてもかわいいですw
さくらねこですが首輪をしていたのでこの家の子でしょうか。

暗越奈良街道/大阪方面の眺め

大阪方面を眺めると花園ラグビー場やあべのハルカスが見えます。
椋ヶ根橋北から公園に少し入ったお地蔵さんのところが眺望は良さそうです。

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弘法生水を飲まず

豊浦橋

暗越奈良街道/長持石前

「長持石前」には大きな石と休憩所があります。

暗越奈良街道/長持石

長持石ながもちいしと呼ばれ「枚岡三石」の一つに数えられるそうですが詳細は不明です。
長持ち石休憩所は建物が撤去されてベンチだけになっていました。

暗越奈良街道/長持石横の松尾芭蕉句碑

ここにも「菊の香に…」の句が刻まれた松尾芭蕉句碑が建っています。
こちらは先ほどの句碑が行方不明になったあと有志によって再建されたものです。

暗越奈良街道/法照寺前

法照寺ほうしようじは法華宗真門流の寺院で、園路からは朱色の美しい多宝塔が見えます。
この先の左手にある桜広場トイレが最後のきれいな公衆トイレです。

暗越奈良街道/豊浦橋下の石橋

法照寺横の枚岡③番出入口から少し入ると石橋がかかっています。
豊浦橋をくぐった先には小さな滝が流れていて園路からも見学できます。

暗越奈良街道/豊浦橋北

真っ赤な豊浦橋がかかる「豊浦橋北」です。
新緑や紅葉の季節にはいい撮影スポットになりそうです。

弘法の水と笠塔婆

暗越奈良街道/観音寺前

観音寺は真言宗醍醐派の寺院で、街道からでも金色に輝く白衣観音びゃくえかんのんが見えます。
境内には枚岡三石の一つである木魚石もくげいしがあるそうです。

暗越奈良街道/鳥居と石碑

大きなカーブの手前に朱色の鳥居とたくさんの石碑が並んでいます。
街道をはさんだ反対側にはお不動さんがいらっしゃいました。

暗越奈良街道/最急勾配地点

地図で道がぽちっとなっている場所が最急勾配地点です。
最大傾斜勾配は31パーセントで、車が通れる国道では日本一の急勾配といわれています。

暗越奈良街道/神津嶽ふれあい広場休憩所分岐

左下から上ってくるコンクリート舗装の道路が暗越奈良街道です。
分岐を左に行くと慈光寺が、右に行くと神津嶽ふれあい広場休憩所があります。

暗越奈良街道/弘法の水と笠塔婆

古代から街道を行く人々の潤いの場所となっている弘法の水と笠塔婆こうぼうのみずとかさとうばです。
空海にまつわる伝説は不明ですが、「弘法の水」と呼ばれる水が今も湧き出しています。
「水質検査の結果 生水は飲まないようにしましょう」という注意書きがありました。

暗越奈良街道/笠塔婆

笠塔婆は高さが181センチで阿弥陀如来坐像と六字名号(南無阿弥陀仏)が刻まれています。
弘安7年(1284年)に建てられたもので、東大阪市指定文化財に指定されています。

暗越奈良街道/小さい弘法大師

弘法大師と刻まれた石灯籠の火袋のなかにお大師さんがいらっしゃいました。
かなり小さいですがクオリティが高いです。

つづく

後編につづきます!
後編では美しい棚田を眺めながら南生駒駅を目指して歩きます。

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アクセス情報

■ 枚岡神社 (ひらおかじんじゃ)

サイト http://hiraoka-jinja.org/ (公式)
所在地 大阪府東大阪市出雲井町7-16
電話 072-981-4177
宗派 神社本庁 ※別表神社
社格 式内社(名神大社) 月次相嘗新嘗 ※枚岡神社四座
河内国一宮
旧社格 官幣大社
主祭神 天児屋根命 (あめのこやねのみこと)
比売御神 (ひめみかみ)
経津主命 (ふつぬしのみこと)
武甕槌命 (たけみかづちのみこと)
配祀神
創建 神武天皇即位前3年(紀元前663年)
拝観料 境内無料
拝観時間 境内自由
駐車場 無料駐車場あり 約40台 09:00~16:00
トイレ あり
文化財 東大阪市指定名勝 枚岡梅林
東大阪市指定文化財 枚岡神社本殿
霊場巡礼 神仏霊場巡拝の道 第60番(大阪第19番)
最寄駅 近鉄奈良駅「枚岡」駅より徒歩1分(50m以内)

■ 枚岡公園 (ひらおかこうえん)

サイト http://hiraoka.osaka-park.or.jp/ (公式)
所在地 大阪府東大阪市東豊浦町
電話 072-981-2516
入園料 無料
開園時間 24時間
休園日 なし
駐車場 無料駐車場あり 約70台 09:00~17:00
トイレ あり
文化財
最寄駅 近鉄奈良線「額田」駅より徒歩7分(400m)

■ 勧成院 (かんじょういん)

サイト
所在地 大阪府東大阪市東豊浦町8-5
電話 072-981-2107
宗派 日蓮宗
寺格
山号 梅龍山
本尊 三宝尊
創建
拝観料 境内無料
拝観時間
駐車場 なし
トイレ なし
文化財 東大阪市指定史跡 松尾芭蕉句碑
霊場巡礼
最寄駅 近鉄奈良線「額田」駅より徒歩8分(500m)

■ 弘法の水と笠塔婆 (こうぼうのみずとかさとうば)

サイト
所在地 大阪府東大阪市東豊浦町
電話
入場料 無料
開場時間 24時間
休場日 なし
駐車場 なし
トイレ あり (仮設トイレ)
文化財 東大阪市指定文化財 暗峠石造笠塔婆
最寄駅 近鉄奈良線「額田」駅より徒歩44分(2.0km)
バスは生駒市コミュニティバス「暗峠」で降車して徒歩10分

■ 暗峠 (くらがりとうげ)

サイト
所在地 奈良県生駒市西畑町
電話
標高 455.1m
三角点 一等水準点 10708 L010000010708
駐車場 なし
トイレ なし
文化財 奈良県景観資産 昔の峠の景観が残る暗峠
最寄駅 近鉄奈良線「額田」駅より徒歩58分(2.7km)
バスは生駒市コミュニティバス「暗峠」で降車して徒歩3分

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